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どこか格式の高い着物屋さんに居る。
中村勘九朗さん似の店員さんが「お待たせしました」と幾つかの反物を選んでもってきて、我が輩の前に置く。それを1つ1つ見ていく我が輩。
特に気にいったのが、深い藍の地に桜の花びらが舞う柄物。
「これは良い物ですよ」と店員さんがするすると開けていくと、まあるいお月さんが顔を出した。「夜桜に月なんです」
我が輩「うーん……」
しばしの沈黙の後、店員さんが満面の笑みで
「奥様はお若いのですから、この柄は似合うと思いますよ」と言いながらチラリと店先を見る。
我が輩「じゃ、買います! ……ただし!」
「60回ばらいで!」
その反物の値段が幾らだったのかが思い出せない(笑)
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